2007年07月18日

神経網のはたらき

 神経とは、情報や運動指令を休みなく伝え続ける、人体にはりめぐらされた大ネットワークのことです。
 
 神経は、脳と脊髄からなる中枢神経と、中枢神経につながって前進に延びる末梢神経に分けられます。
 さらに、神経をその役割という点でみると、知覚神経運動神経自律神経に分類することができます。どの神経も、ニューロンという神経細胞と神経線維の集まりで、全ての情報は電気信号にかれられ、ニューロンからニューロンへと伝えられていきます。
 情報が電気信号になり、体の中を走っていくというのは、コンピュータとインターネットの関係によく似ていますね。

 知覚神経とは、見る、聞く、触る、味わう、嗅ぐといった感覚に関する情報を脳に伝える神経のことです。
 皮膚など、神経の末端にある感覚神経から脊髄に届いた信号は、脊髄後方(背中側)の後根と呼ばれる経路を通って脳へと上がっていきます。

 身体を動かす時に、脳が出した運動指令を全身に伝えるのが運動神経です。
 大脳皮質の運動野から送られた運動命令は、小脳、脳幹、そして脊髄を通過して進みます。
 大脳の出した大まかな運動指令はそこで細かく整理され、例えば手足を動かす場合、脊髄から枝分かれして延びる神経をとおり、目的地である手や足にたどり着きます。届けられた電気信号は筋肉を収縮させ、そこで初めて思い通りに体が動かされるというわけです。
 運動指令は、知覚神経とは逆に、脊髄前方(腹側)の前根という部分を通ってからだの各部へ下りていきます。

 全ての内臓、内分泌腺、外分泌腺、血管、全身の汗腺は、脳からの指令を受けることなく、独立して働いています。その働きを制御するのが自律神経で、人間が自分の意思でコントロールするのは不可能です。
 例えば手足は自由に動かすことができても、心臓や胃の働きは、意のままにはなりません。これは、心臓や胃が、自律神経によって統制されているからです。
 自律神経には交感神経と副交感神経があります。
 交感神経が血管を収縮させたり、発汗させたりするのに対して、副交感神経は血管を拡張させたり、発汗を抑制させるというように、1つの器官に対して、お互いに相反する働きを持っています。
 私たちが眠っている間も内臓が休まず働きつづけているのは、この自律神経のおかげです。

2007年07月17日

脊髄のはなし

 脊髄とはなんでしょう?
 「背骨のあたりのこと」
 私は今まで、漠然とそう考えていました。
 まあ、間違ってはいないのですが、正しくは、
 脊髄とは、首の部分にある頚椎から、腰の部分にある腰椎にかけて延びる、神経線維の束のことです。
 神経線維の束・・・だから脊髄を傷めると、運が悪ければ半身不随などの結果を招いてしまうんですね。

 全身の皮膚や筋肉からの情報はこの脊髄を通って脳へ送られ、脳からの命令もまた、脊髄を経由して体の各部分へと伝達されます。つまり脊髄は、脳と全身を結ぶ神経の連絡路、もっといえば、脳の出張所ということです。

 脊髄は全部で31個の節に分かれていて、それぞれの節からは、体の左右に向かって一対ずつの脊髄神経が出ています。
 脳からの運動指令は脊髄の前方(腹側)を通り、全身からの情報は後方(背中側)を通って送られます。脊髄という神経の通り道は、上り専用ラインと下り専用ラインを備えているのです。

 通常は脳とからだの各部分とをつないでいる連絡路に過ぎない脊髄も、場合によっては脳に代わって中枢神経の役割を果たすことがあります。
 誤って熱いものに触れた時など、瞬時に手を引っ込めますね。これは脳が判断を下しているのではなく、熱さという刺激が危険を察知して、筋肉を収縮させるよりも早く脊髄が危険を察知して、筋肉を収縮させる命令を出しているのです。
 このように、身に危険が迫った時に脳への連絡を省略して行なわれる運動を反射運動といいます。